Odooを導入・活用していく中で、
「標準機能だけでは少し足りない」
「アドオン開発をするべきか迷う」
という場面に出会うことは少なくありません。
そのようなときに、まず検討していただきたいのが OCAモジュール です。
オープンソース、GitHubなどと聞くと、難しそうに聞こえますが、OCAモジュールは、技術的なバックグラウンドがない方でも、存在を知っているだけで選択肢を大きく広げられる便利な仕組みです。
本記事では、
・OCAモジュールとは何か
・なぜ多くの企業に活用されているのか
・実際にどのように探し、活用すればよいのか
を分かりやすく解説します。
OCA活動を広げるためには、まずOCAモジュールの価値を知り、実際に活用していただくことが重要です。この記事がその第一歩になれば幸いです。
OCAモジュールとは
一言で言うと、無料で利用できるOdooのアドオンモジュールです。
これらは、OCA(Odoo Community Association)という、世界中の開発者や企業が参加する非営利コミュニティによって開発・公開されています。
OCAモジュールは、単に無料というだけでなく、
- コミュニティレビューによる品質担保
- 継続的なメンテナンス
- ベンダーロックインを避けやすい
といった特徴があります。
そのため、独自開発や単独ベンダー製アプリよりも、長期運用時の保守・アップグレード負荷を抑えやすい点も大きなメリットです。
OCAについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
OCA(Odoo Community Association)とは?Odoo導入前に知っておきたい役割とメリット
OCAモジュールとその他のアプリショップモジュールの違い
Odoo公式サイトのアプリショップには、有償アプリやOCAモジュールを含む無償のOdooアドオンアプリが掲載されています。それらのアプリの中でも、なぜまずOCAモジュールの利用を優先して検討した方が良いのかについては、以下の記事を参照してください。
ブログ記事:アプリマーケットでのモジュール調達の是非
OCAモジュールの使用条件と改変条件
OCAモジュールの多くには、AGPLv3 または LGPLv3 などのオープンソースライセンスが適用されています。
通常の利用であれば、無料で自由に使用できます。
一方で、モジュールを改変して再配布する場合などには、ソースコード公開義務などのライセンス条件が適用される場合があります。
詳細は各モジュールのライセンスをご確認ください。
また、汎用的な改変・改善については、個別に対応するのではなく、GitHub上でプルリクエストとしてOCAモジュールへ還元することも推奨されています。
OCAモジュールの探し方
OCAには数千のモジュールがあるため、「どう探すか」を知っているだけで活用しやすさが大きく変わります。
ここでは、実務でおすすめの探し方を順番に紹介します。
① ChatGPTに聞く
最近では、ChatGPTに相談するのも有効な方法です。
「OCAに〇〇の機能を持つモジュールはありますか?」と日本語で質問すると、関連するモジュールやリポジトリを提案してくれる場合があります。
ただし、回答が必ずしも正確とは限らないため、参考情報として活用しつつ、後述するOCAアプリショップやGitHubでも検索することをおすすめします。
②コタエル発信情報から探す
コタエルでは、日本企業の実際の導入事例や日本特有の業務要件に関連するOCAモジュールについて、継続的に情報発信しています。これらの情報から便利なモジュールが見つかるかもしれません。
■ 日本でよく使われているOCAモジュール
「2025年版 日本でのOdoo導入で欠かせないコタエル作のOCAモジュール5選」
実際の利用件数ベースで紹介しているため、最初の参考として最適です。
■ ブログ記事:Odooコミュニティ活動とコタエルの取り組みのご報告(月次)
日本のお客様の要望をもとにしたコタエルのOCA活動を紹介しています。
日本企業で役立つモジュールを知ることができます。
■ コタエルフォーラム記事:https://www.quartile.co/forum/1/tag/oca-109/questions?filters=tag
よく使われるOCAモジュールの設定・使い方を日本語で解説しています。
③ 世界でよく使われているモジュールを確認
■ OCA公式の推奨モジュール一覧:
https://www.odoo-community.org/resources/documentation
ベース・会計・販売・購買・プロジェクトなど、
世界的に利用されているモジュールがカテゴリ別に紹介されています。
④ OCAアプリショップで検索
■ OCAアプリショップ:
https://apps.odoo-community.org/shop
キーワード検索で多くのモジュールを見つけられます。
モジュール検索のポイント
OCAモジュールは英語で公開されているため、検索キーワードが重要です。
まずは、Odoo画面を英語表示に切り替え、Odooで使われている英語用語を確認します。
そのキーワードで OCAアプリショップ を検索し、関連しそうなモジュールやリポジトリを探します。
ただし表示されないモジュール/バージョンもあるため、GitHub検索も併用するのがおすすめです。
⑤GitHubリポジトリから探す(上級者向け)
OCAアプリショップで見つからない場合や、最新の開発状況を確認したい場合はGitHubを参照します。
GitHub OCA:
GitHub検索のポイント
- モジュール名から機能を推測し、READMEで詳細を確認
- 別バージョンのブランチも確認
- 未マージやクローズされたプルリクエストもチェック
欲しい機能が完全一致しなくても、
- 少し改修すれば使えそう
- 別バージョンに存在する
というケースは非常に多くあります。
その場合は
・機能拡張プルリクエスト作成
・バージョン移行
を自分で行うことも大きな貢献です。
※ GitHub上のOCAリポジトリは非常に多く、READMEやソースコードも英語のため、技術者以外の方には少しハードルが高く感じられるかもしれません。まずは日本語の記事や実績のあるモジュール紹介から探し始めるのがおすすめです。
OCAモジュールの翻訳
利用したいOCAモジュールが見つかっても、日本語翻訳がされていなかったり、十分でない場合があります。そのような場合は、ぜひ翻訳活動にもチャレンジしてみてください。
下記記事の翻訳のパートでOCAモジュールの翻訳方法について説明しています。
OCAモジュールのインストール方法
基本的な手順は次のとおりです。
① モジュールをダウンロード
GitHubやアプリショップから、利用したいモジュールをダウンロードします。
② addons_path にディレクトリを追加
Odoo設定ファイル(odoo.conf)の addons_path にOCAモジュールを配置したディレクトリを追加します。
③ アプリリスト更新 → インストール
Odooのアプリ画面から「アプリリストを更新」し、対象モジュールをインストールします。
Docker Desktopを使った場合のOCAモジュールインストール手順は以下の記事後半で解説しています。
WindowsパソコンにOdoo環境をセットアップする方法 ステップ by ステップ
まとめ
OCAモジュールは、利用者が増えるほど改善が進み、さらに価値が高まっていきます。
最初は「便利なモジュールを使う」だけでも十分ですが、慣れてきたら改善提案や翻訳などでコミュニティに参加できるのも、OCAの大きな魅力です。
OCAモジュールへの貢献方法については以下のブログ記事で詳しく解説しています。
OCA活動解説【実践編】|GitHubプルリクエストの作成・レビュー対応・マージまで
OCAモジュールを活用しよう!|探し方・メリット・導入方法を解説