Odooの2つのコミュニティーの違い:Odoo発祥のベルギーに行って分かったこと

OCA DaysとOdoo Experienceに参加してきました
2026年10月2日 by
Odooの2つのコミュニティーの違い:Odoo発祥のベルギーに行って分かったこと
Toshikimi (Nobu) Shigenobu (QRTL)

Odooには、「コミュニティ」と呼ばれるものが2つあります。

1つは、Odoo Community Association、通称OCA。Odooで使えるオープンソースのモジュールを開発・公開しているコミュニティです。

OCAのブースでOCAメンバーと記念撮影

もう1つは、顧客・パートナー・開発者など、Odooのエコシステムにかかわっている人たち全員を指すコミュニティです(Odoo S.A. CEOのFabien曰く: 動画)。

Odoo Experience 2026の講演で「I love to work with The Community」と話すFabien

年に一度、それぞれのコミュニティの大きなイベントがベルギーで開催されます。それが、OCA Days(OCA主催)とOdoo Experience(Odoo S.A.主催)です。

今年、2026年9月にその両方に参加してきました。

OCA Daysでは『一緒に作るコミュニティ』、Odoo Experienceでは『Odooを中心に集まるエコシステム』を感じました。この記事では、その違いをまとめていきます。

参加者の違い


OCA Daysにいるのは、エンジニアが中心でした。普段からモジュールを作ったり、レビューしたりしている人たちが実際に参加していました。

会場の大部分ではCode Sprint(みんなで集まって開発をする)が行われていて、エンジニアの人たちが開発を通して仲を深めていました。

OCA DaysのCode Sprint会場で開発するエンジニアたち

一方、Odoo Experienceにはもっと幅広い人たちがいました。Odooベンダー、Odooを使っているユーザー企業、Odooと連携する外部サービスの会社、そしてもちろんOdoo社の人たち。

会場には大量のベンダーブースが並んでいて、ユーザー企業向けに自分たちのサービスや実績をアピールしていました(Japan IT Weekみたいな感じです)。

Odoo Experienceの会場に並ぶベンダーブース

セッションの違い


OCA Daysでは、主に技術的なセッションが開かれていました。

登壇者と参加者の距離も近く、発表への質問からそのまま議論になったりしていました。登壇者が課題に対しての対応策を共有して、参加者との質問を通してさらに深めていくようなセッションが多かったです。

技術の話だけでなく、「AIをコミュニティとしてどう使っていくか」など、今後のコミュニティとしての方針についても議論していたのが印象的でした。

OCA Daysのセッション会場

Odoo Experienceでは、Odoo Enterprise版の新機能の発表や、Odooと併用すると便利な別システム・ベンダーの紹介が多かったです。新しいバージョンで何ができるようになったのかを一気にキャッチアップでき、面白かったです。

登壇者と参加者の距離は遠く、登壇者が先生で、参加者がその答えを教えてもらうようなセッションが多かったです。

Odoo Experienceのメインステージでのセッション

質問もできますが、QRコードを読み込んでフォームに投稿する形式です。その中から登壇者に選ばれたものが回答されるので、自分がした質問が選ばれるとは限りません。

僕も質問したのですが、答えてもらえず残念でした。

僕と同様の内容の質問が他にもあったのですが、それらも回答されていませんでした。時間の都合もあってか、2〜3フレーズで簡単に返答できるような質問が多く回答されているように感じました。複雑な内容(「こういうケースには対応できますか」など)は比較的スルーされるのかなと思います。

人のつながり方の違い


個人的に一番印象に残ったのは、この違いでした。

OCAの人たちは、オープンソースをやっているだけにオープンです。なんとなくウェルカムな雰囲気があります。

みんなが輪になって話しているときに、初対面の僕がぽつんと隣で立っていたら、そっと間をあけて「入っておいでよ」と目くばせをしてくれました。そういう人たちです。

話し出すと「どのOCAモジュールを使ってるの?」というように、OCAモジュールを起点にOdooについての話が広がります。僕自身、普段使っているモジュールを保守している人と実際に話せたのが、かなり印象に残りました。

話し終えた後も、GitHub上でまたやり取りすることになるんだろうなと感じました。この継続的なつながりが、OCAの仲間感につながっているのだと思います。

OCAのブースでOCAメンバーと記念撮影

Odoo Experienceでも、新しい人と知り合いました。Odoo Experienceにはゲームコーナーがあったり、夜のライブもあったりして、そこで盛り上がります。

特にライブが楽しくて、ノリノリの若い人・ノリノリのおばちゃん・ノリノリのおっちゃん、もうみんな乗っていてめちゃめちゃになって楽しめますし、仲良くなります。この爆発的な楽しさはOdoo Experienceらしさなのだと思います。

Odoo Experienceの夜のライブで盛り上がる参加者たち

(ノリノリのOdoo組。みんなダンスがうまい)

ただ、OCAの人たちほど継続的な関係になる感覚はありませんでした。

(正直、これは僕の参加の仕方もかなり影響していると思います。純粋に、夜の交流の時間にライブを楽しみすぎました。最前列で楽しんでいたら、あっという間に時間がなくなってしまいました。後ろのほうでは、大人な人たちがビール片手に会話を楽しんでいました。そっちに行くと、より深く仲良くなれたのかもしれません。)

まとめ


実際に両方のイベントに参加してみると、同じ「コミュニティ」でも性質はかなり違うように感じました。

OCAでは、みんなで同じモジュールを作り、使い、改善しています。そのため、「一緒に何かを作っている」という仲間としての結束感がありました。セッションも、登壇者と参加者が一緒に課題を掘り下げていく形で、とても面白かったです。普段使っているモジュールを作った人たちと直接話せたのもうれしく、いい人たちが多かったので、今後も縁を深めていきたいなと思いました。

一方、Odoo Experienceでは、みんながOdooを中心につながっているものの、一緒に何かを作っているわけではありません。その代わり、イベントやライブを一緒に楽しんで、「また会ったら一緒に飲もう」と言えるような友達がたくさんできそうな雰囲気がありました。Odooのエコシステムの広さを知れたり、新機能のセッションがあったりして面白かったです。

Odooを始めようとしている人も、すでにOdooをやっている人も、機会があればぜひ両方のコミュニティ・両方のイベントに参加してみてください。どっちも楽しいですよ。

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Odooの2つのコミュニティーの違い:Odoo発祥のベルギーに行って分かったこと
Toshikimi (Nobu) Shigenobu (QRTL) 2026年10月2日
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