2026年6月も、コタエルではOCAへの提案・改善・移行対応を継続しました。
内容は、Odoo 19.0に向けた対応、日本向け請求業務、購買・在庫評価、製造、EC、セキュリティなど多岐にわたります。その中でも特に、日々の運用で発生する確認作業や帳票の違和感、監査上の懸念を減らすための改善が目立つ月でした。
2026年6月の取り組み
日本向け請求業務の改善
日本でOdooを使ううえで重要な、請求書・合計請求書まわりの対応を進めました。
合計請求書のベースとなる account_billing では、明細行のソート順を一貫させる改善がOdoo 18.0向けにマージされました。見た目としては小さな変更ですが、請求内容を確認する現場では、並び順が安定していることが重要です。
あわせて、配送日をもとに請求日を提案する sale_invoice_date_from_picking、個別請求書の締日をもとに合計請求書を作成する account_billing_from_cutoff の18.0対応も進めました。
参考リンク:
https://github.com/OCA/account-invoicing/pull/2318
https://github.com/OCA/account-invoicing/pull/2304
https://github.com/OCA/l10n-japan/pull/110
購買・在庫評価に関する実務対応
購買や在庫評価では、会計処理や監査対応に関わる改善提案が続きました。
購買入庫時に自動で買掛金計上まで処理する purchase_auto_bill_on_receipt は、Odoo 19.0向けにマージされました。入庫実績に基づいて買掛金を計上する取引条件で役立つ機能です。
また、移動平均評価対象のプロダクトについて、仕入返品時にもとの仕入金額で在庫を払い出す機能もOdoo 16.0向けに提案しました。標準挙動のままだと監査上の論点になり得るため、実務上の重要度が高いテーマです。
参考リンク:
https://github.com/OCA/purchase-workflow/pull/3075
https://github.com/OCA/stock-logistics-workflow/pull/2374
Odoo 19.0に向けた移行対応
Odoo 19.0に向けた対応も進んでいます。
日本向けのPDF帳票レイアウトを整える report_alternative_layout は、19.0対応がマージされました。対外向け帳票の見え方は、日本でOdooを使ううえで重要な要素です。
任意のフォームビューに条件付きメッセージを表示できる web_form_banner も、19.0対応のレビューが進んでいます。注意喚起や入力ミス防止に使いやすく、コタエルでサポートしている多くのお客様にも利用いただいているモジュールです。
参考リンク:
https://github.com/OCA/l10n-japan/pull/125
https://github.com/OCA/web/pull/3309
その他の改善
製造、EC、セキュリティ、アクセス制御の分野でも提案やマージがありました。
製造領域では、副産品の数量を意図せず変更しないための mrp_byproduct_auto_pick、シリアル管理の外注加工品をまとめて入庫しやすくする mrp_subcontracting_serial_mass_produce を提案しました。
EC領域では、ウィッシュリスト管理、カート追加可否の制御、価格表示に関する改善がOdoo 15.0向けにマージされています。
セキュリティ面では、添付ファイルの種類を制限する attachment_mimetype_restriction がマージされました。会計領域では、勘定科目グループに応じて仕訳へのアクセスを制限する account_move_group_restriction も提案しています。
参考リンク:
https://github.com/OCA/manufacture/pull/1805
https://github.com/OCA/manufacture/pull/1759
https://github.com/OCA/e-commerce/pull/779
https://github.com/OCA/e-commerce/pull/1217
https://github.com/OCA/e-commerce/pull/1224
https://github.com/OCA/social/pull/1857
https://github.com/OCA/account-financial-tools/pull/2291
担当者よりひとこと
今月は、個別のお客様から寄せられた実務上の課題を、OCAを通じてより多くの利用者に役立つ機能へ還元する取り組みを進めました。
日本固有の請求・帳票要件に対応する一方で、購買・製造・ECなど、多くの企業に共通する業務課題にも並行して取り組んでいます。
新機能の提案だけでなく、既存機能の新しいOdooバージョンへの移行や、日々の使いやすさを高める細かな改善も継続しました。
複数のOdooバージョンを利用する現場を、長期的かつ安定的に支えていくことも、コタエルが大切にしている活動のひとつです。
[2026年6月] Odooコミュニティ活動とコタエルの取り組みのご報告