OCA Days 2018に参加してきました

Louvain-la-Neuve OCA Days 2018

Tim Siu Lai

遅ればせながらなのですが、10月にベルギーで開催されたOCA Daysの参加報告です。


はじめに


Odooを始め、オープンソースソフトウェア(OSS)はコミュニティの活動に支えられています。オープンソースであることで、世界各地の優秀な開発者の協力をとりつけ、彼らのコントリビューションによって製品が改善され、さらにユーザや開発者を惹きつけるという好循環が生まれます。


「OCA Days」はそんなコミュニティ活動を象徴するイベントです。毎年Odoo社が10月にベルギーで開催するイベント、Odoo Experienceの直前に、同イベント会場近郊で2日間にわたり開催されます。世界各地よりオープンソースのコミュニティ活動に熱心な開発者が集い、OCAのコミュニティモジュールを作成・改善するコードスプリントや情報共有・交換のための各種セッションが実施されます。


私たちコタエルがOdooのサービス提供を開始して早5年半、以来一貫してコミュニティ活動にも積極的に参加してきていますが、ベルギーで開催されるOCA Daysにはこれまで参加する機会がもてずにいました。今回やっと仕事の予定を調整して、10月1日・2日にLouvain-la-Neuveで開催されたOCA Days 2018に、私Timがチームを代表して参加してきました!


このイベントには世界25ヶ国から147名が参加。アジアからの参加者は数えるほどで、日本/香港から参加したのは私のみでした。



イベント概要


OCA Daysは次の画像のタイムテーブルに沿って進行しました。実際に参加してみて感じましたが、OCA Daysの目的は、「Odoo機能追加・改善」「知識共有」「ネットワーキング」に集約されると思います。



1.Odoo機能追加・改善


なんと言ってもこちらがメインの目的です。普段世界各地にちらばったコントリビュータが一堂に会する貴重な機会ですので、OCAモジュールの作成・改善を一気に進めない手はありません。普段時差の関係でコミュニケーションに時間がかかってしまいがちなPRレビューも、OCA Daysではすぐにその場で話をして疑問を解決することができます。


私は初日に「OpenUpgrade」のテーブルにて作業しました。コミュニティ内でも有名なコントリビュータの方々のレビューが受けられるので、自分の理解やスキルを確認するよい機会になりました。短時間のうちに複数のOdooのトップレベルの技術者からさまざまな視点でコードへのフィードバックがもらえる機会はそうそうなく、濃密な体験ができたと思っています。



2.知識共有


コードスプリントと平行して、イベント期間中20以上のトピックでディスカッションおよびトレーニングのセッションが設けられました。


ディスカッションのセッションでは、主にOCA運営メンバーから、コミュニティ活動を活性化させることを主眼においた各種施策が提案され、活発に議論が展開されました。OCAモジュールに成熟度の区分をつけることでコントリビューションのハードルが下げられたことにつき改めて認識共有され、私たちもオープンソースの活動を通じてOdooエコシステムを支えるために貢献を続けていきたいとの思いを新たにしました。


トレーニングセッションでは、新しいメンバー向けのOCAでの立ち回り方、Odoo Profilerを使ったパフォーマンス解析(Vauxoo社)、Odooと連携するeコマースソリューション「Shop Invader」の紹介(Akretion社)、Odooの開発からデプロイメントまで包括的に管理する「Doodba」の紹介(Tecnativa社)といったトピックにつきOCAメンバーから発表がありました。コタエルでも安定したOdoo環境を提供すること、アジャイルな手法で開発した機能を、継続的に間違いなく本番環境に反映させていくことには腐心していますので、個人的にはTecnativa社の発表が大変参考になりました。


3.ネットワーキング


ネットワーキングもOCA Daysの重要な目的です。特に、OCAメンバーがまだ少ない東アジア地域から参加した私たちにとっては、ヨーロッパや南米等の普段GitHubやTwitterを介して会話することがあっても、実際に会う機会がなかなかないメンバーとのネットワーキングの機会は貴重でした。


OCAメンバーはそれぞれDocker、データベース、eコマース、会計等の専門領域をもち、オープンソースコミュニティの活動を通して鍛えた知見を持った人たちばかりです。そのような人たちと技術情報の交換ができ、個人的なつながりが持てたのは大きな収穫でした。


日本のサービス事業者は、総じてオープンソースの活動には積極的でなく、自社のノウハウを外部と共有しないところがほとんどだと思いますが、OCA Daysでのネットワーキングでは、それと対極をなすオープンさで情報交換ができました。


まとめ


今回OCA Daysに参加して、世界各地のメンバーとオープンな空気のもとで製品改善にとりくみ、情報交換することを通じて、Odooがどうやって世界でここまで人気のあるソフトウェアとなったのか、その理由の一端がより明確に理解できた気がします。


コミュニティの活動は、Odooの発展を支える一翼を担っています。Odooは今でこそOdoo S.A.社のリソースでさまざまな機能改善を施せるようになっていますが、TinyERPから今日のOdooに至るまでの13年間、ここまで人気のあるソフトウェアに進化することができたのは、OCAを中心としたオープンソースコミュニティが継続してOdoo本体に足りない機能を提案したり、補完したりしてきたからに他なりません。私たちもオープンソース志向のOdooパートナーとして、これからも日本向けローカリゼーションはじめ、コミュニティ活動を継続してまいります!


日本では現状、Odooに関わる事業者がこのようなオープンソース活動に積極的に参加している状況ではありませんが、私たちの活動や情報発信を通じて、日本でのOdooを取り巻く環境が少しでもオープンなものになっていくと面白いなと思います。



(ジャンプするタイミングを逃した私。)


OCAウェブサイトのブログ記事はこちら:https://odoo-community.org/blog/the-oca-blog-1/post/oca-days-2018-louvain-la-neuve-83



日本でのOdoo利用に際し、情報が欲しかったり、ローカライズ作業に興味があったりする方は、ぜひコミュニティ活動にご参加ください!



海外拠点のOdoo導入で現地のOdooサービス事業者のサポートが必要な場合、技術力やコストの観点で、OCAで積極的に活動している事業者を導入パートナーとするのがおすすめです。私たちにご相談お寄せいただけましたら、どの事業者がよさそうか、アドバイスさしあげられることもあるかと思います。