Odooの翻訳プラットフォームがTransifexからWeblateに移行しました

Odoo日本語化の状況
October 6, 2025 by
Odooの翻訳プラットフォームがTransifexからWeblateに移行しました
Ryoko Tsuda (QRTL)

2025年8月からOdooの翻訳プラットフォームがTransifexからWeblateに移行されました。また、Odooの日本語化の状況についても、以前のコミュニティ活動中心の翻訳から状況が変わっていますので、合わせて説明したいと思います。

Odooの翻訳状況


現在のOdooの翻訳状況ですが、2023年からOdoo社の日本人翻訳専任の方がOdooの翻訳作業を行っており、Odooはほぼ100%日本語化され、また以前より翻訳の質も高くなっています。(Odooは常に新しい機能が追加されるので、新しい機能については翻訳されるまで多少のタイムラグがあります。)

数年前まではOdooの日本語化がネックで導入を見送ったケースもあったのではないかと思いますが、現在ではその問題は解決されています。また、古いバージョンのOdooをお使いの場合、翻訳されていないアプリもあるかと思いますが、新しいバージョンでは日本語化されているので、バージョンアップすると使えるアプリも増えると思います。

ただし、質が高いとは言え、Odooの画面上で見ると不自然な日本語になっているところが現在でもごくまれにあったりします。そういう箇所を発見した場合には、新しい翻訳プラットフォームのWeblateから修正の提案を行います。

Odooの翻訳に参加するには


WeblateでOdooの翻訳に参加するためには、事前に translations@odoo.com に 名前、メールアドレス、翻訳したい言語を連絡し、登録申請する必要があります。

以前は申請すればたいてい登録されたのですが、現在は審査が厳しくなっているようなので、初めてOdooの翻訳に携わる方は、申請の際に所属会社やERP経験、翻訳経験などを書き添えるといいかもしれません。

また、Odoo社の方以外は、翻訳者(Translator)ではなく、提案者(Suggester)として登録されるので、提案した翻訳はOdoo社の翻訳者がレビューし、承認してからOdooに反映されることになります。以前はコミュニティの翻訳者がタグ構造を崩して翻訳してOdoo本体で画面が表示されなくなる「翻訳テロ」が何度か発生したので、妥当なアレンジかと思います。

Weblateの使い方


下記のサイトが新しいWeblateのOdoo翻訳プラットフォームです。

https://translate.odoo.com/

①.Weblateの構成:プロジェクトとコンポーネント

メニューバー「プロジェクト」>「すべてのプロジェクトの閲覧」を選択します。

プロジェクトが表示されます。

「Odoo バージョン」の名前となっているプロジェクトが、各Odoo本体のバージョンになります。

※ 翻訳したいバージョンだけでなく、SaaSの最新バージョンを忘れずに翻訳しましょう。Odooがバージョンアップされる際、SaaSの最新バージョンの翻訳から取り込まれるので、SaaSの最新バージョンの翻訳を更新しないと、最新バージョンのOdooの翻訳が古いままになります。

Odooバージョンのプロジェクトを選択し、「コンポーネント」タブをクリックすると、コンポーネント一覧が表示されます。Odooの各モジュールが各コンポーネントに対応しています。

コンポーネントを選択し、言語から「日本語」を選択すると、モジュールの翻訳状況が表示されます。

「翻訳」ボタンをクリックすると、原文の語句と日本語の欄が表示されます。

日本語欄の翻訳を修正し、「提案」ボタンをクリックすることで翻訳の更新を提案することができます。

②.翻訳作業を行う

翻訳作業を行う場合には、検索機能を使います。

「クエリの例」や「詳細な検索式の作成ツール」を参考に、検索条件をセットします。

例)日本語で翻訳済みで "クリーンです"という翻訳語句を修正したい場合の検索フィルタ

「クエリの例」から "特定の言語で翻訳済みの文字列"行の「追加」をクリックします。

「詳細な検索式の作成ツール」の"原文"を"翻訳文"に変更し、検索したい語句を入力し、「追加」ボタンをクリックします。「フィルタ」の入力欄の右下をドラッグして拡大すると、クエリ条件がセットされていることが確認できます。ページ下部の「検索」ボタンをクリックします。

検索結果から翻訳したいOdooバージョンを選択して、翻訳の修正を提案します。

Odoo翻訳品質向上のためのコミュニティ


Odooの翻訳品質向上のためのDiscordのコミュニティがOdoo社によって運営されています。Odoo社の翻訳専任の方が質問に回答してくださったり、また、Odooの用語をOdoo上の機能に合わせた適切な用語に変更したい場合は、こちらから提案する場合もあり、コミュニケーションを取りながらOdooの翻訳品質向上に協働して取り組んでいます。

このコミュニティは招待制になっており、実際にWeblateで活動されている方や、建設的なやり取りができる方のみが参加対象となっております。

まずはあなたもWeblateでの翻訳活動に参加してみませんか?


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Odooの翻訳プラットフォームがTransifexからWeblateに移行しました
Ryoko Tsuda (QRTL) October 6, 2025
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